研究内容

共創・対話を用いた社会課題解決/サービス創出に関する研究

社会課題を解決し、人々の主観的幸福感(Well-being)を向上させることを目指し、現場に軸足を置いて、共創・対話を用いたサービス創出に関する研究を行っています。デザイン思考/人間中心設計の考え方をベースとし、「本質的に解決すべき課題は何なのか」という問いと丁寧に向きあいながら、解決策を導出していきます。さまざまな情報通信技術を活用して実課題を解きつつ、そのプロセスや仕組み自体を研究対象とします。

主に以下の2つのテーマを研究していますが、両テーマは密接に関連しております。また、アクションリサーチとして、現場の課題に軸足を置き研究を行うアプローチを採っているため、特定の研究分野・技術分野にこだわらず研究を推進しています。

Well-beingの実現/社会的孤立の解消

人々のWell-being向上を目指した研究活動を展開します。現在は特に、高齢者や乳幼児を育てる親を対象として、社会的孤立の解消につながる対話や、それを支える情報通信技術のあり方について研究しています。

  • 高齢者の孤立解消に向けて
    • 高齢者との対話やワークショップ、実験や観察を通した研究を展開
      • 横浜市青葉区内にあるまちの保健室に、ベンチャー企業 株式会社Wish Labが開発した高齢者向けの運動支援システムを設置させていただき、高齢者と看護師、技術者との共創に取り組んでいます
      • 多世代コミュニティの可能性についても検討を開始しています
    • 鎌倉リビングラボを研究フィールドとし、例えば以下の問いに答える研究を推進
      • コロナ禍で孤立しがちな高齢者を、オンラインでつなぐことの効果は?
      • 情報機器を苦手とする高齢者のリテラシを向上させるための仕組みとは?
  • 乳幼児を育てる親の孤立解消に向けて
    • 子育て支援拠点や親子カフェなどを運営する複数のNPO法人と連携した研究活動を推進
    • 例えば、以下のような問いに答える研究を推進
      •  妊娠~出産~子育て期を経て親はどのような変容を遂げるのか?
      •  親同士の関係性を育むためには、どのようなワークショップが効果的か?
      •  対話の満足度を高める/スムーズな対話を支援するツール/情報通信技術とは?

共創の方法論確立

実生活に近い場(リビング)で生活者とともにサービスを創造する「リビングラボ」を研究対象としています。産官学民さまざまな関係者との共創し、そのプロセスを研究しています。共創の過程で生じる人々のこころの動きや行動の変化を観察し、その過程をモデル化・体系化するとともに、共創を効果的に行うための方法論やツールの開発につなげています。
なお、教員が過去に取り組んできた共創に関する研究内容は、こちらをご参照ください。

  • 連携先:
  • 主なプロジェクト:
    • 東京科学大学 未来社会DESIGN機構 におけるプロジェクト:DLab Challenge 2021 に当教員が関わる以下2件の研究課題が採択され、同研究テーマを推進しています。
      • 人と情報を結びつけ未来シナリオを自分ごと化するための未来ナラティヴ構築手法の確立:
        • 未来リビングラボを設置し、多様なステークホルダとともに共創ワークショップを実施。
          未来を形作るための方法論確立を目指しています。
      • Tomorrow’s Studio: Smart Creation Using Mixed Reality for Enhancing Real-time Interaction in Design Education:
        • MR(Mixed Reality)を用いた未来の遠隔教育システムの可能性を探索中。特に、建築教育/デザイン活動における「MRを用いた視線共有の効果」について研究。
    • ケア現場を再現したメタバース上での共創方法論